ー九州で1,080km、四国で935km。家族を乗せて走ってきて思うのは、車中泊旅でいちばん怖いのは事故やなくて帰られへんこと

山の中の道の駅で、朝エンジンがかからへん。峠でパンクする。真夜中に電波の弱い場所で立ち往生する。車中泊は人が少ない場所にわざわざ泊まりに行く遊びやから、街中でのトラブルとは意味がちゃうんです。
で、そこで効いてくるのが自動車保険。ただし車中泊してる人が見るべきポイントは、普通の人とはっきり違う。この記事では、そこだけに絞って書きます。
保険の補償内容は会社ごと・商品ごと・契約年度ごとに全然違います。この記事は「どこを見るべきか」の考え方をまとめたもので、個別の契約についての助言ではありません。実際に申し込む前は、必ず約款と保険会社への直接確認をしてください。「ブログにこう書いてあったから」で決めるのだけは、絶対NGです!
結論:車中泊乗りが見るべきは保険料の安さではない
比較サイトを見ると、だいたい保険料が安い順で並んでる。でも車中泊をするなら、見る順番はこれ。
| 優先 | 見るところ | なぜ車中泊で効くのか |
|---|---|---|
| 1位 | ロードサービスのレッカー無料距離 | 遠方・山間部で動けなくなるのが車中泊。ここが数万円の差になる |
| 2位 | 車内に積んだギアの扱い | ポタ電・冷蔵庫・マット…積載物は車両保険では守られへん |
| 3位 | 年間走行距離の区分 | 車中泊を始めると距離が一気に伸びる。申告がズレる |
| 4位 | 保険料 | 上の3つが同条件になってから比べる |
順番にいきます。
レッカーの無料距離|ここが最重要ポイント
まず知っといてほしいのは、実際に起きるトラブルの大半は事故やないということ。バッテリー上がり、パンク、キー閉じ込み、脱輪。この辺が圧倒的に多い。
で、車中泊はこれが家から300km離れた山の中で起きる。ここが街乗りとの決定的な違いです。
無料距離は会社でかなり違う
各社の条件を見ていくと、けっこう幅がある(2026年7月時点で公開されている情報の例)。
- 保険会社が指定する最寄りの工場までなら距離無制限、という会社がある(アクサダイレクトなど)
- 自分で工場や自宅を指定する場合は上限あり。150kmを限度としている例がある
- 損保ジャパンは2026年1月の改定で、事前にロードアシスタンスデスクへ連絡して承認を得た場合はレッカー費用の限度額が無制限に。逆に事前連絡がなければ従来どおり15万円限度
ここで注目してほしいのが、「最寄りの工場までなら無制限」と「自分で行き先を指定したら上限あり」は別物ということ。
車中泊の旅先で壊れたとき、知らん土地の知らん工場に置いて帰るか、地元まで運んでもらうかという選択になる。後者を選びたいなら、効いてくるのは「自分で指定した場合の上限距離」のほう。ここを見ずに「レッカー無制限!」の文字だけで選ぶと、旅先で慌てることになります。
上の損保ジャパンの例のように、「先に電話して承認をもらったら無制限、勝手に呼んだら上限あり」という設計の会社があります。パニックになって先に近所の業者を呼んでしまうと、条件から外れることがある。動けなくなったら、まず保険会社のロードサービス窓口に電話。これだけは覚えて帰ってください。
JAFは「保険とかぶるからいらん」ではない
よく「保険にロードサービス付いてるからJAFは要らんやろ」と言われるけど、性質がちょっと違うんです。
| 保険のロードサービス | JAF | |
|---|---|---|
| 何に付く? | 契約した車に付く | 人に付く(会員本人) |
| 他人の車に乗ってるとき | 基本は対象外 | 会員本人なら対象になる |
| 費用 | 保険料に含まれる | 別途、年会費が必要 |
| 使うと等級は? | ロードサービス利用だけなら等級に影響しない扱いが一般的(要確認) | 影響なし |
レンタルやカーシェアも使う人、複数台を乗り分ける家庭は、「人に付く」JAFを併用する意味がある。逆に自分の車1台しか乗らへんなら、保険のロードサービスを厚くするほうが合理的やと思う。
積んでるギアは、車両保険では守られへん
これ、車中泊やってる人はほんまに知っとってください!
車両保険が守るのは「車そのもの」と「車に装着されたパーツ」まで。車に積んでる手荷物は対象外なんです。
我が家の車には、ポータブル電源も車載冷蔵庫もマットも積んである。全部足したら普通に数十万円になる。これが車上荒らしで持っていかれても、車両保険では基本的に出えへんということです。
じゃあどうするか:特約で備える
| 被害の中身 | 基本の車両保険 | 備えるなら |
|---|---|---|
| 窓ガラスを割られた・ドアのキズ | ◎ 対象 | 車両保険でOK |
| ナビ・後付けパーツなど車に固定したもの | ○ 装着パーツとして対象になりうる | 固定方法により判断が割れるので要確認 |
| ポータブル電源・冷蔵庫・寝具などの積載物 | ✕ 対象外 | 車内手荷物等特約/身の回り品補償特約 |
| 現金・貴金属・宝石など | ✕ | 特約でも対象外とされることが多い |
特約の名前は会社によって「車内手荷物等特約」「身の回り品補償特約」などバラバラ。しかも「車両保険金が支払われる損害に伴って」という条件が付いているタイプもある(=車自体が壊れてないと荷物だけでは出えへん、という設計)。ここは名前で判断せず、中身を読んでほしい。
あと押さえどころとして、家財の火災保険側に付けられる「携行品損害」でカバーできるケースもある。自動車保険で足すか、家の保険で足すか、どっちが安いかは家庭によって違うので、両方見てから決めるのがおすすめ。

えっ、10万円のポータブル電源が盗まれても保険出えへんのですか!?めちゃくちゃショックなんですけど…

せやから先に言うといたんよ(笑)。車両保険は『車』の保険であって『荷物』の保険やないからな。ただ特約を付けたら守れる余地はある。あと現実的にいちばん効くのは、そもそも狙われへん工夫や。外から高そうな箱が見えてる車は狙われる。目隠しして、降りるときは電源やギアを毛布かぶせるだけでも全然ちゃうで

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年間走行距離の申告|車中泊を始めると一気にズレる
最近の自動車保険は、年間走行距離の区分で保険料が変わる商品が多い。区分の違いで保険料が1.6倍以上変わることもあると言われてる。
で、車中泊を始めると何が起きるか…距離が跳ね上がります。我が家の旅で言うと、九州で1,080km、四国で935km。この2回だけで年間2,000km。通勤で使ってなくても、遠出を年に何回かやるだけで区分をまたいでしまう。
ここで大事なのは2つ。
- 過少申告は絶対にしたらアカン。安くしたい気持ちは分かるけど、事実と違う申告は認められへん。いざというとき揉める材料をわざわざ作ることになる
- 途中で超えたときの扱いは会社によって違う。「契約時点での実績で決まるので追加保険料は不要」という商品もあれば、申告内容が変わったら連絡が必要な商品もある。ここは自分の契約先に確認する
いちばんスッキリするのは、車中泊を始めるタイミングで一度「うちは年間どれくらい走るのか」を出し直すこと。旅の記録があるなら、それを足していくだけでけっこう正確に出せる。
車中泊仕様にカスタムしたら、保険はどうなる?
ここも聞かれるので整理しとく。ただしここは特に会社ごとの判断が分かれる領域なので、必ず自分の保険会社に確認してほしい。
置くだけのベッド・マットは「荷物」寄り
載せてるだけのベッドキットやマットは、車の一部というより積載物として見られる可能性が高い。つまり車に積んでる手荷物の話(車両保険では対象外)と同じ扱いになりうる。
ビルダー架装・内装工事は「申告」が肝
うちのハイエースみたいに、木で内装を組んで断熱を入れて…というビルダー施工の架装は、車両保険の金額(保険をかける車の評価額)に反映されるかどうかが論点になる。何もせんと「素のハイエースの値段」で評価されてしまう可能性がある。
架装に何百万かけていても、申告していなければその分は守られへん、ということが起こり得る。見積書や施工内容の書類は必ず保管して、契約時に相談すること。

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8ナンバー(キャンピング登録)にした場合
構造変更してキャンピング車として登録すると、自動車保険の扱いも変わる。会社によっては通販型では引き受けが難しく、代理店型やキャンピングカーに強い会社を選ぶことになるケースもある。8ナンバー化を考えてるなら、改造する前に保険の見通しを立てておくのが順番として正しい。
リース車・レンタル車の場合
リース車は全損しても契約が消えず、残りのリース料の精算が必要になることがあるのが怖いところ。車両保険とリース特有の補償オプションはセットで考えたほうがええ。

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見直すべきタイミングは3つだけ
- 車を買い替えたとき:車両保険の金額も等級の引き継ぎも動く。ここは全員やる
- 車中泊を始めた/回数が増えたとき:走行距離の区分と、ロードサービスの中身が今の使い方に合ってるか
- 車中泊仕様にカスタムしたとき:架装の申告と、積載物の特約
で、見直すなら同じ条件で複数社を並べて比べるのがいちばん早い。ここで大事なのは、比べる軸を「保険料」やなくて「レッカー無料距離・積載物の特約・走行距離区分」の3点を揃えたうえでの保険料にすること。ここを揃えずに安い順で選ぶと、旅先で泣くことになる。
「レッカーで自分の指定先まで運べる上限は何km?」「車に積んでるポータブル電源やキャンプ道具は補償されますか?その特約の名前は?」「年間走行距離が途中で区分を超えたらどうなりますか?」——この3つをそのまま聞けば、その会社が車中泊向きかどうかは一発で分かります。
とはいえ、この3つを1社ずつ電話で聞いて回るのは、正直しんどい。一括見積もりを使えば、同じ条件を1回入力するだけで複数社の保険料が並ぶから、そこから中身を見比べるのがいちばん早いです。
今の保険が高いか安いかは比べてみるまで分かりません。ここだけは、ほんまに一回やる価値あります。
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よくある質問(FAQ)
Q.車中泊中に車上荒らしにあったら保険は使えますか?
A.車体側の損害(割られた窓ガラス、こじ開けられたドアなど)は車両保険の対象になります。一方、車内に積んでいたポータブル電源やキャンプ道具などの手荷物は、車両保険の対象外です。荷物まで備えるには車内手荷物等特約や身の回り品補償特約が必要で、名称と条件は保険会社ごとに異なります。
Q.レッカーは何kmまで無料ですか?
A.会社によって大きく異なります。保険会社が指定する最寄りの修理工場までなら距離無制限という会社がある一方、自分で搬送先を指定する場合は150km程度を上限としている例もあります。また事前にロードサービス窓口へ連絡して承認を得た場合に限り限度額を無制限とする会社もあるため、動けなくなったらまず保険会社へ電話するのが安全です。
Q.車中泊で走行距離が増えたら保険料は上がりますか?
A.年間走行距離の区分で保険料が決まる商品では、区分が上がれば保険料も上がります。区分の違いで1.6倍以上の差が出ることもあります。ただし契約期間の途中で区分を超えた場合の扱いは会社によって異なり、追加保険料が不要な商品もあれば申告が必要な商品もあります。実態より少なく申告するのは避けてください。
Q.JAFと自動車保険のロードサービス、両方要りますか?
A.自動車保険のロードサービスは契約した車に付き、JAFは会員本人(人)に付くという違いがあります。自分の車1台だけに乗るなら保険のロードサービスを厚くするほうが合理的ですが、レンタカーやカーシェア、家族の車など複数の車に乗る人はJAFを併用する意味があります。
Q.車中泊仕様にカスタムしたら保険会社に伝えるべきですか?
A.伝えたほうが安全です。とくにビルダー施工の架装や内装工事は、申告していないと車両保険の評価額に反映されず、事故のときに架装分が守られない可能性があります。施工の見積書や内容が分かる書類は保管しておき、契約時や更新時に相談してください。8ナンバーへの構造変更を考えている場合は、改造する前に保険の引き受け可否を確認するのが順番として正しいです。
Q.結局どこの保険を選べばいいですか?
A.ここは車の使い方と家庭ごとの事情で変わるので、特定の1社をおすすめすることはできません。ただし選び方の軸ははっきりしていて、「レッカーで自分の指定先まで運べる距離」「積載物を補償する特約の有無と条件」「年間走行距離の区分と超過時の扱い」の3点を揃えたうえで保険料を比べる、という手順を踏めば大きく外しません。
最後にひとこと。
正直に言うと、保険の話っておもんない(笑)。約款とか特約とか、旅の話とは真逆やもんな。
でもな、車中泊って「家から遠く離れた場所で、家族と一緒に夜を明かす遊び」やねん。楽しさの正体が”遠さ”にある以上、その遠さがそのままリスクにもなる。
だからせめて、レッカーの距離と、積んでるギアの扱いだけは知っといてほしい。何かあったときに「調べといてよかった」となるのは、たいてい出発する前の30分や。
備えだけしといて、あとは思いっきり遠くまで行こうや。
で、ひとつだけ宿題な。今の保険が、今の乗り方に合ってるかどうか。車中泊を始めてから走り方も積むものも変わってるはずやから、そこだけ一回見比べといてほしい。
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